米国およびカナダの土地を管理・運営する不動産投資会社であるウォルトン社は、住宅市場が加速する中、ラスベガスに進出しました。
ウォルトン社は今月、ラスベガス南西部に位置する17エーカーの土地を取得し、「全米大手住宅建設業者」がタウンホームおよび戸建住宅175戸の開発を計画していると発表しました。
当リリースによると、土地開発は今年の秋に開始され、住宅販売は2022年夏に開始される予定です。
建設業者の名前は公表されていませんが、クラーク郡の記録によると、テキサス州に本社を置く全米最大級の住宅建設業者、D.R.ホートン社が開発を計画していると見られます。
取材に対し、D.R.ホートン社からの回答はありませんでした。
ウォルトン社は、いわゆるランド・バンキングを行うランド・バンカーと呼ばれる企業で、土地を購入し、必要以上に長期に渡って土地を保有することを希望しない建設業者に対して土地を売却します。
ラスベガスの仲介企業であるランド・アドバイザーズ・オーガニゼーションのリック・ヒルドレス氏は、建設業者は住宅建設を開始する前に、敷地整備やインフラ設置などの多くの作業を必要とし、すぐには購入した土地から収入を得ることはできないと指摘しています。
また「土地を購入したからといって、今日からすぐに建設を開始できるわけではありません」と述べています。
アリゾナ州スコッツデールに本社を置くウォルトン社は、米国およびカナダに10万エーカー以上の土地を保有しており、「カンバン方式による土地在庫管理で住宅建設業者をサポートするプラットフォーム 」を提供しています。
具体的には、当物件はバッファロー・ドライブからブルー・ダイアモンド・ロードのすぐ北側に位置しています。
南ネバダ州の住宅市場では、月々の支払額を抑えて予算を拡大できる最低水準の住宅ローン金利の影響により、急速に住宅の販売が進み、住宅価格も過去最高を記録していますが、ウォルトン社のラスベガス進出は、その流れに乗るものです。
住宅購入者が殺到する中、住宅建設業者は、定期的に住宅価格を引き上げ、購入者の順番待ちリストを作成し、土地の入札を行っていると複数の関係者が語っています。
ウォルトン社の土地取得担当専務取締役であるエド・ハドリー氏は、同社がラスベガスに進出した理由として、市場が活況を呈しているからではなく、提携している建設業者が同社のラスベガスへの進出を望んだためであると述べています。
しかし、ラスベガスは住宅建設が盛んであり、ハドリー氏によれば、ウォルトン社にとっては「自然な流れ」であったと言います。
「我々の事業に参入するのであれば、ラスベガスを避けては通れない」とハドリー氏は述べています。
ウォルトン社は通常、開発業者が建設を開始するまで土地を保有します。これは、開発業者がすぐに使えない土地を保有したり、最終的に開発しないことになる可能性がある土地を購入することを避けることを目的とした、リスク軽減手段であると言います。
ハドリー氏によると、建設業者はウォルトン社に頭金を預けてプロジェクト用地を購入し、住宅の販売が完了するごとに分割して返済することができます。
ランド・アドバイザーズ社のヒルドレス氏によると、ランド・バンカーはラスベガスでは普及しておらず、10年ほど前に市場が暴落する前はもっと一般的だったとのことです。
2000年代半ばの熱狂的なバブル崩壊後、建設業者は購入オプションから手を引き、ランド・バンカーは負の遺産を抱えることとなったため、ランド・バンカーの多くは大打撃を受けました。
ラスベガスに拠点を置くホーム・ビルダーズ・リサーチ社によると、建設業者は2005年に南ネバダで約39,000件の住宅販売を成立させましたが、市場が低迷した後の2011年の住宅販売数は約3,900件に留まりました。
同社によりますと、昨年は10,485件の住宅販売数を記録しています。